手術の日
2018年3月19日 手術の日
手術台に乗って寝転んだら音楽がかかった。歌声はマリーナショウなんだけど、かかった曲目は坂本九の上を向いて歩こうだった。
思わず涙が溢れ出た。
九ちゃんスゲー。歌で泣かすなんて。って思っている自分もいた。
心配した看護婦さんが手を握ってさすってくれた。
程なくしてつけられたマスクから全身麻酔が効いて周りの声も聞こえなくなった。
名前を呼ばれて意識が戻った時に「無事終わりましたよ」と言われたけど、「えっ?もう終わったの?いつの間に?」というくらい一瞬の出来事のように感じた。
病室に運ばれグッタリしていた。
色んな管がついているのが痛かった。
病院嫌いで薬が嫌いで注射が嫌いな私にとっては自分の体に管が付いているのはけっこう屈辱的なことだった。
違和感というか異物感がものすごく嫌だったけれど動くと痛いからしばらくの間はとにかくじっとしていた。
まだ麻酔が切れていないのか、話すこともままならず、母や父がベッド脇にいるのはわかっているのだけど声が出なかったし身動きも取れなかった。
先生が母に「傷痕見ますか?」と聞き、見たいと言ったあとの母の第一声が「いや、すごい綺麗やわぁ、全然わからへんやん。私のとえらい違いやわ!」とケロっと言っているのが聞こえて、朦朧としつつもめちゃくちゃホッとしたと同時に、母に「言い方!」ってツッコミたい気持ちにはなった。笑
もちろんそんなこと出来ないくらいグッタリしていていつもみたいに突っ込めない自分がもどかしかった。
そんな事を思っていられるくらいの気持ちの余裕は生まれて来ていた。
体は辛いけど、気持ち的には術前よりかなり楽になっていた。
もちろん、回復して家に戻った後にこの日の母のあの態度に対してはしっかり突っ込ませてもらったけど。笑