Los Angelesでの展示会出展と、私にとっての金継ぎ
2026年9月8日から12日まで、アメリカ・ロサンゼルスへ行ってきました。
今回の目的は、ロサンゼルスのリトルトーキョーにあるJACCC(Japan American Cultural & Community Center)で開催される展示会へ出展作品を搬入するためです。
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展示会名 Healing with Gold: The Art of Kintsugi on Ceramics & Beyond
開催期間 2026年9月12日~10月18日
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久しぶりの一人での海外渡航でした。
=到着早々のスマホトラブル=
今回はiPhoneではないスマートフォンになってから初めての海外。
現地ではWhatsApp(日本でいうLINEのようなメッセージアプリ)で連絡を取り合う予定でしたが、到着直後にスマホがうまく通信できず、とても焦りました。
Union Stationまで迎えに来てくださる予定だったMeherさんとも連絡が取れなくなり、ご迷惑をおかけしてしまうことに。
本来はそのまま会場へ作品を持ち込む予定でしたが、搬入は翌朝へ変更となりました。
=親切な人たちとの出会い=
Union Stationからはメトロを利用してホテルへ向かいました。
Historic Broadway駅で降りた際も、駅の清掃員の方にホテルへの行き方を尋ねると、とても親切に教えてくださいました。
今回の滞在で印象的だったのは、街で働く方々の温かさです。
駅員の方々は皆さんフレンドリーで親切でしたし、ホテルに併設されていたスターバックスのスタッフの皆さんもとても感じが良く、居心地の良い接客でした。
日本のスターバックスも勿論素晴らしいですが、ロサンゼルスでは「丁寧さ」と「程よいフランクさ」のバランスが心地よく、とても印象に残っています。
ロサンゼルスに着いてすぐに良い印象を持てたのは、街で働くこういった方々のおかげだったと思います。
=展示会場での時間=
翌日、作品を持ってJACCCへ向かいました。
事前にホームページで見ていた出展者の皆さんの作品を、展示ケースに入る前の状態で間近に見ることができたり、展示の準備風景を見ることができたりして、とても貴重な時間でした。
さらに驚いたのは、私が2017年頃に通っていた金継ぎ教室の先生(きょうこさん)も今回の展示会に出展されていたことです。
最初に金継ぎを学んだのは、鎌倉で開催されていたワークショップでした。
2017年11月から12月頃だったと思いますが、その時にお世話になった先生と、約9年後にロサンゼルスの展示会で再び同じ空間に並ぶことになるとは思ってもいませんでした。
ご縁の不思議さを感じました。
=私にとっての金継ぎ=
私が金継ぎを始めたきっかけは、とても実用的なものでした。
自分で制作した器が欠けたり割れたりした際、その修繕方法として学び始めたのです。
しかし、その後私の中で金継ぎは大きな意味を持つようになります。
金継ぎを始めて間もない頃、乳がんが見つかりました。
手術や術後治療を受けていた時期、私は溜まっていた器の修繕をひたすら続けていました。
修復することで新たな価値が生まれること。
傷を金で装うことで、以前とは異なる美しさが生まれること。
その考え方に大きく励まされていました。
術後は腕に十分な力が入らず、思うように陶芸ができませんでした。
それでも金継ぎに向き合う時間があったことで、陶芸ができない不安や焦りはずいぶん和らいだように思います。
当時の私にとって金継ぎは、単なる修繕技法ではなく、心のよりどころのような存在でした。
=漆からエポキシ樹脂へ=
ただ、術後の放射線治療の時期に免疫力が低下したこともあり、漆かぶれを発症しました。
それ以来、何度も本漆での修繕に挑戦してきましたが、そのたびにかぶれが出てしまいます。
現在も時々試していますが、やはり漆かぶれを回避するのが難しいため、本漆での修繕はあまり行っていません。
その代わり、長年エポキシ樹脂による修繕を続けてきました。
最初は本当に苦労しました。
簡易金継ぎと呼ばれることもありますが、私には決して簡単とは思えませんでした。
うまく接着できない、仕上がりが思うようにならない、削りにくい。など。
何種類もの接着剤や真鍮粉を試しながら、自分なりの方法を探し続けました。
そしてようやく今年、自分にとって扱いやすく、食品衛生基準も満たし、見た目も満足できるエポキシ樹脂に出会うことができました。
今では最も信頼している材料です。
=モダン金継ぎという選択=
かつての私は、「金継ぎは漆が一番良い」と考えていました。
実際、漆には漆ならではの美しさがあります。
けれども、さまざまな材料を試しながら修繕を続けてきた今では、エポキシ樹脂を用いた修繕もまた、金継ぎのひとつのジャンルだと強く感じています。
私が続けているのは「モダン金継ぎ」です。
そのモダン金継ぎとして初めて出展した展示会が、ロサンゼルスのリトルトーキョーにあるJACCCだったことは、私自身にとってとても大きな意味を持っています。(今回の出展ではモダン金継ぎの中のGEM金継ぎとCRACKLE金継ぎを出展しています)
=アートがつないでくれるもの=
展示会は10月18日まで開催されています。
お近くにお住まいの日系人の方々はもちろん、世界中からロサンゼルスを訪れる旅行者の皆さまにもぜひご覧いただけたら嬉しいです。
また、日本から旅行中の方には、日本文化が海外の方々の目にどのように映るのかという視点でも楽しんでいただけると思います。
私自身、京都・嵯峨嵐山で日々お店を営む中で、世界各国から訪れるお客様から多くのことを学ばせていただいています。
「商品と作品の違い」 「金継ぎとアートの境界」 「陶芸とアートの関係」
こうしたテーマについて、日々新しい気づきをいただいています。
時には海外のアーティストの方が作品写真を見せてくださったり、陶芸家同士で土や釉薬、道具の情報交換をしたりすることもあります。
そうした交流を通じて実感するのは、アートは言葉や国籍、人種を越えて人と人をつなぐコミュニケーションツールであるということです。
今回のロサンゼルス滞在でも、そのことを改めて強く感じました。
Healing with Gold: The Art of Kintsugi on Ceramics & Beyond 会期:2026年9月12日~10月18日 会場:JACCC(Japan American Cultural & Community Center) Los Angeles Little Tokyo
多くの方にご覧いただけることを願っています。
もっと英語が聞き取れて話せるようになりたいと今回の訪米で強く思いました!


