雪山に思いを馳せて作った器
[caption id="attachment_12098" align="alignnone" width="300"] 白と黒の釉薬の掛け合わせが生み出す雪山のような景色[/caption] 2010年頃から作り出した私が作る和食器の定番です。 定番でありながらも常に欠品しているシリーズでもあります。 当時勤めていた会社での仕事の兼ね合いもあり、スキーにハマり、足しげく通った雪山。 シーズンオフに入るころ、既に来年の冬が待ち遠しくて、雪山に思いをはせて作っていた器たちです。 SKI TRAVELには温泉とお酒がつきもの。 訪れた土地の日本酒を買って帰る。 そんな時に使うお猪口と片口として作った器がこちら。 現在、日本酒をほとんど飲まなくなり、めったに製作していないですがお酒に合う一品料理を盛り付けるための<碗皿>と名付けた浅めの丼も展開していました。 [caption id="attachment_12099" align="alignnone" width="300"] こちらがスタート時、最初に作ったものです。縁が欠けて金継ぎしています。この雰囲気の器としては薄く作っていて見た目よりも軽くて扱いやすいのが特徴です。[/caption] 料理を盛りつける際、より美しい。と私が信じる器のカタチです。 高台を高く、見込みを小さく作る独特なシルエットの碗皿は削りを入れずに製作するのが難しく、ロスが多いため製品としてはあまり向いていないので現在はほんの少量、時々作っています。 こちらのシリーズは和食器好きの方に人気があり、再販しないのか?とよく聞かれます。 私も凄く好きなシリーズです。 製作当初はこの器にパスタを盛り付けて食べるのがお気に入りでした。 〈和食器で食べる洋食〉が当時はまだあまり外食でも普及しておらず、自分だけのスペシャルな時間として楽しんでいました。 簡単に作ったナポリタンを白い磁器プレートではなく自作の和食器で食べることが、当時の私にとって〈最高にお洒落で豊かな時間〉だったのです。 週末、時間が取れた時には割烹料理屋さんで食べたものを再現しようと手の込んだ料理を試みました。 限られた食材の中でどうやっておいしく食べるか?を考えて新メニューをあみ出すこともありました。 器を作ることと料理をすることはいつもとても近しい関係なのです。 2018年のブランド創設では、それまでに一つずつしか作らなかった和食器のスタイルを一旦保留にして、【日常遣いの陶土の洋食器】を作り始めました。 磁器で作ればよかったのでしょうが、陶土のもつ柔らかさや温かみが好きで陶土で製作を始めました。 【磁器の様に見える陶器】というのは私にとっては面白さも含んだものでした。 当時、和食器づくりを一通り終え、自宅の食器棚もあふれかえり始めていた頃だったので、シリーズ化された白い洋食器を揃えていくのは自分自身の楽しみでもありました。 そうやって大好きだった轆轤製作が身体的理由により出来ないでいた期間も私は楽しく作陶できたし、苦手だったタタラ作りの楽しさや深さを知る事が出来ました。 続く・・・ 2023年5月30日 ucaco ...
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