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6月 02 2023

2023年の新作はUPグレードしたコーヒーカップ。

[caption id="attachment_12022" align="alignnone" width="300"] こちらは2023年現在の進化型のコーヒーカップです。 こちらはカップ&ソーサーとしてお使いいただけるように六角形のプレートを作りました。 [/caption]   前ブログ記載の<2008年から製作していた飴色のカップ>は、物理的な問題点を解決するために制作日数を増やすことでクリアしていました。 器の薄さに比例して、素焼きの陶器が吸収できる水分量には限界があります。 前述の飴色のカップは私が作る器の中でも特に薄いものです。(飲み口を大事にしたくてギリギリまで薄く作ったものになります) その薄い陶器に外と内側で2色の釉薬をかけ分けている為、物理的にはかなり無理なことをしています。   飴釉も乳白釉も粘度の高めのものを使っている為、1度に内・外の施釉をすると釉薬が陶器にうまく安定せず(吸水限界を超えているので)本焼きした時に縮れを起こしてしまいます。 結果、施釉を2日に分けて製作をするようになりました。     沢山のロスを出したのち、どうにかしてロス率を下げるために、と施釉方法を2日に分けることに変更しました。 1日目に内側に乳白釉をかける。数日乾かし、器が乾いて吸水率が上がった頃に外側に飴釉をかける。 こうやって、薄い陶土に飴と乳白をかけるという、相反することを可能にしました。 厚みのある器であれば、こんな風に別の日に釉薬掛けを行わなくてもこの2色の釉薬をかけることができます。(これは雪山の器も同様です) その日のうちに施釉可能なのです。 【どこにでもあるようでいて、なんだか違う】。と私の器に対して感じてくださった方のその感覚は正しいのです。 審美眼に優れた方だと思います。 一見すると普通に見えるけれど、普通にこの色のカップを作るより日数がかかってしまうのです。   ですが、2023年よりモデルチェンジをしたのはいくつかの理由があります。   特徴にしている大きな取手のデザインを変えずに、カップ自体に必要最低限の重さを持たせたかったので土を石が入ったより白さが増した信楽土へと変更しました。   土を変更したことでカップの底面石の粒が木のテーブルを傷つけてしまうのを防ぐため完成後に特殊なコーティング加工を自身で施しています。 ここに至る前は陶芸用のサンダーで底面をやすりにかけたりもしていましたが、サンダーの扱いは怪我や器の破損が多く器づくりの工程として、個人的に受け入れがたいものでもあり、出来る限り器に優しく接してやりたかったのでやめました。   釉薬は2色使用していますが、土の良さを生かすため全体に乳白釉を掛けました。 以前まで掛けていた飴のかわりに、口元にマットな燻金の釉薬をかけることで器にアクセントを持たすことも出来、以前のカップで気に入っていたデザインも継承されています。   土の特性を生かすため以前より少し厚みを持たせました。 それもあって上記の釉薬使いともマッチしています。   何色か、何型かで試作して実際に使ってから、一番気に入ったものを2023年からの新作としました。     現時点では、以前よりも製作時のロス数を減らすことが出来ています。 それによってゴミに成り得るものを作らないでいられます。   以前よりも扱いやすいけれど、デザインでは私ucaco自身のこだわりポイントを変えずにUPDATEした最新型のコーヒー&ティーカップです。   現在、私自身が毎日使うカップでもあります。 セットの六角形のソーサーについては次のブログにて。 これらのカップとソーサーの販売は6月6日を予定しています。   続く・・・   2023年6月2日 ucaco        ...

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5月 28 2023

変わらず愛される為に、進化する定番であり続けること

いよいよ色展開もカタチの展開も広がりを見せてきました。 円、楕円それ以外に食卓を華やかにするカタチは?   それが、あらゆる器を作りながら思っていたことです。 自宅のテーブルコーディネートで金彩の器を使うとき、縁に揺らぎを持たせているとはいえ、ほとんどの形が丸や楕円できちんとしすぎていました。 カタチが規則的すぎると食卓にリズムが生まれず、楽しさが伝わりにくいと感じていて、丸いもの以外にも作りたかったのですが、四角というイメージがなんだかピンと来ていなくて決められずにいました。   そんな時、2021年ごろからハマりだしたタロットカードに出てくる八芒星(オクタグラム)を器へと落とし込み、星形を製作しました。   2021年のホリデーシーズンに販売したら良かったのですが、そのタイミングには間に合わず、2022年1~2月ごろに製品化が実現しています。   星のカタチなので縁にはプラチナではなく金彩が使いたくなり、既存のカタチでも金の縁取りで展開を始めました。   この時点で黒の器はプラチナ彩のものと金彩のものの2種類になりました。 同じ土、釉薬を使っていても人間の感覚的な問題なのか、プラチナ彩と金彩では黒の色味が違って見えます。 縁取りの範囲は全体面積に対して小さいけれど、それだけの影響を与えるという事です。 そう思うとテーブルコーディネートを考えるのもとても楽しいものになります。   最初の試作の際は、タロットカードの星の雰囲気に近寄せたくてフリーハンドで描いた型紙を作り、それを使っていましたが、制作時のロスが沢山出るのでもう少し形をシンメトリーに寄せたほうが良いと思って型紙を微修正しました。   型紙は、正方形を2つ重ね、中心から時計回りに45度スライドした八芒星です。   タロットカードの星はもっとトゲトゲした星です。でも、その形にするとお皿として使える見込み部分がかなり小さくなってしまいます。それで、東洋の八芒星をモチーフにしました。 [caption id="attachment_12089" align="alignnone" width="225"] タロットカードの星のカード。絵柄の可愛さだけでなくカードが持つ<希望・理想・大切なモノ>というキーワードも好きです。[/caption]   当初、乳白色と黒のみで展開をしていたオクタグラムプレートですが、<フチなしが欲しい>とか、<グレーやグレージュが欲しい>という色々な方のお声もあり、一通り作ってみました。(が、結果的には人気が高くて、よく売れたのは乳白色と黒でした。笑)       派生して、厚みを持たせた星のお香立ても作りました。 簡単なようでいて、分厚いタタラは中の空気抜きが大変なのだという事にも、作ってみてから気づきました。 きっと、鋳込みの陶芸であればこれらの問題はクリアされるのでしょうが、私は鋳込みをやったことがありません。 そんな理由でお香立てもたくさんロスが出ました。 出たロスは自宅のお香立てになっています。   [caption id="attachment_12090" align="alignnone" width="225"] あらゆる色、カタチのゴブレット。奥の燻金のゴブレットはハリーポッターを見てイメージしてこの色にしました。[/caption]   ゴブレットも作りました。 これは、タロットカードの世界観とナチュールワインのおかげです。 このふたつは同時期に興味を持ちだしたこともあり、オクタグラムプレートとゴブレットの組み合わせは単なる食器の域を超え始めてきました。笑 お皿に乗っている小さなキューブはサイコロです。 これもまた、タロットカードやトランプで遊ぶ際にサイコロが可愛ければ良いのに。と思ったことがきっかけで作ったものです。 ゴブレットのカタチはタロットカードに描かれるカップのカタチがイメージですが、大きくは2種類のカップのカタチがあることから円錐型とスクエア型を作りました。 実際にワインを飲むのは円錐型が飲みやすいです。   こんな風に、その時、自分が興味を持った<ナニカ>で使うアイテムを常に陶器で作って来ています。     またナチュールワインとゴブレット、タロットカードの事などもブログで書きたいと思います。   まだまだ続く・・・   2023年5月28日 ucaco    ...

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5月 27 2023

5年後10年後も続く愛される定番として⑤

ピンクやグレーの器の受注を受けながらも黒の器作りの為の時間も設けていました。 やっと、思い通りの黒で制作をスタートし始めました。 While accepting orders for pink and gray vessels, I also set aside time for creating black vessels. And finally, I have started the production with the black color I had envisioned. [caption id="attachment_11801" align="alignnone" width="300"] シャープな黒に光り輝くプラチナ彩を[/caption]     黒は、ミルクベースのスープやヴィシソワーズに合わせたかったのでどうしても深さのあるボウルを作りたかったのです。 <出来ればろくろで作ったお茶碗型ではなく、お皿と同じ手法のタタラ作りで作りたい>。という思いは黒の展開後、更に強まりました。 本当はスタート時の5型でもそうしたかったのですが、タタラづくりで高さのある物を作るのが当時の私にはとても難しく、ろくろでカップとボウルを作っていました。 [caption id="attachment_11802" align="alignnone" width="300"] 初期はお茶碗型でスタート。こちらは炊き立ての白米が引き立つのです。[/caption]     ろくろで作ったボウルも好きなのですが、お皿同様、縁に柔らかな揺らぎを持たせたいと思うとボウルもやはりタタラづくりで制作したいと思いました。     [caption id="attachment_11773" align="alignnone" width="300"] こちらはやっとタタラで深さを出せるようになり製品化したもの [/caption]   私がよく作る料理の中に、<舞茸のポタージュスープ>があります。 栄養価が高くておいしく、スーパーに行けば年中変わらずに買いやすい価格で供給されている食材はやはり魅力的です。 他、初夏~初秋頃までの汗ばむ季節はヴィシソワーズ、日常的に食べる朝晩のヨーグルトなど、このタタラづくりの深皿はとても活躍する器です。   スパイス皿は、塩やマヨネーズ、バターを乗せるのにも最適です。       Plat10(小皿)はちょっとした和え物やお漬物にも似合うし、Plat 15(取り分け皿)はフルーツをデザート仕立てにしてお客様にお出しするときにも最適です。     黒い器が完成したことで食卓のコーディネートへの満足度がかなり上がりました。   やっと、シリーズ展開の最初に描いた色展開が実現したのです。   ここまではとても長かったのですが、良い思い出です。   続く・・・   2023年5月27日 ucaco...

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5月 24 2023

5年後10年後も続く愛される定番として④

3色目の展開カラーはチャコールグレーの器を黒の代わりに。 The third color chose a charcoal gray  instead of black.       [caption id="attachment_11999" align="alignnone" width="300"] グレーの器を展開し始めた時、最初に選んだ4型                                                                      charcoal gray was initially chosen in these 4 models[/caption]   黒が思い通りの色にならなくて探していたことはプロダクトフィロソフィーのブログ<5年後10年後も続く愛される定番として①>でも記載しましたが、その後いったん黒を作ることを保留にした時に、代わりに気になって選んだのがこちらの写真のグレーの土です。 In my blog post titled "As a Timeless Classic That Will Continue to be Loved 5 Years and 10 Years from Now - Part 1," I mentioned that I was searching for the perfect shade of black but was unable to find it. However, during the period when I temporarily put the black color on hold, I became intrigued by the gray clay featured in the attached photo.   それでも、黒じゃないにしても黒っぽい器が作りたい気持ちは変わらずにありました。 Nevertheless, my desire to create a container that had a blackish appearance persisted, even if it wasn't actually black. 豆腐料理、冷やしうどん、大根おろしポタージュスープなどの白っぽい料理にはやはり白い器より黒っぽい器の方がおいしそうに見えるからです。 グレーで作ってみると、土に入っている御影石の独特の表面感も相まって和洋折衷な料理に合わせやすい器となりました。 such as tofu dishes, chilled udon, and dishes with grated daikon or potage soup, tend to look more appetizing in vessels that have a blackish hue rather than pure white. When I experimented with creating gray vessels, the unique surface texture of the small stones complemented a variety of dishes that fuse Japanese and Western flavors. This versatility makes...

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5月 23 2023

5年後10年後も続く愛される定番として③

2色目の展開カラーはピンク The second color for the deployment color is pink. [caption id="attachment_12018" align="alignnone" width="300"] 白の次に作り始めたのは<ピンク×ゴールド>のシリーズです。[/caption]   こちらも最初はピンクの釉薬をかけるという選択肢しかありませんでした。 Initially, there was only the choice of applying a pink glaze in this case.   既存の釉薬では好みの色が見つけられず、釉薬の自作などもしてみましたがそう簡単には好きな色が作り出せず諦めかけていた時に<土自体に色を付けることにしよう!>とマインドセットすることになりしました。 I couldn't find the desired color with the existing glazes, so I even tried making my own glazes, but it wasn't easy to create the color I wanted. I was starting to give up. But I decided to change my mind‐set to "Let's color the clay itself!"   濃度比率は途中で少し変更しピンクを少し濃くしました。 I made a slight adjustment to the concentration ratio along the way and made the pink color a bit deeper.   スイーツに合わせた器を作りたくて、このピンクの器の制作にあたったのですが最初はなかなか売れませんでした。 I embarked on creating dishes in this pink color to complement desserts, but initially, they didn't sell well.   当時はまだ、ピンクの器というのが珍しかったのか?あまり見慣れないことで使い方がわからないというお声をよく頂きました。 (最近ではピンクの器もよく見かけますね) At that time, pink plate might have been considered unusual or less commonly seen. Many customers expressed that they were unfamiliar with how to use them, which could have contributed to the initial lack of sales. However, it's worth noting that recently pink plate has become more common and popular, and you can often find them in various settings.   なので、最初は卸先では断られてしまうちょっとしたキズなどのある完成品を自宅の食器として使い、実際に料理やスイーツを乗せて写真を撮ったものをSNSでUPしました。 As a result, when the initial products with minor imperfections were rejected by wholesale buyers, I decided to use them as personal tableware at home. I actually served dishes and desserts on them, taking photographs and...

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5月 21 2023

5年後10年後も続く愛される定番として②

As a timeless classic that will continue to be beloved even 5 or 10 years from now, I would like to introduce ② Blk×Platinum(黒.プラチナ)はこの器のシリーズを製作するにあたり、最初に作りたいと思った色です。(5年後10年後も続く愛される定番として①参照。またこの色は実際には4色目の展開カラーとなるのですが、その話はまた次回の③話以降でつづらせていただきたいと思います)。 Blk×Platinum  is the color I had in mind as the initial choice for creating this series of vessels. (Please read that as a timeless classic that will continue to be beloved even 5 or 10 years from now, ① ) Furthermore, while this color will actually be the fourth variant in the lineup, I would like to continue discussing that in the upcoming ③ and subsequent installments.   乳白色には柔らなイメージでゴールドを、漆黒の透き通るようなつややかさをもつ深い黒にはプラチナの輝きをまとわせたかった。 こちらの色は少し冷ややかな印象なのかもしれません。 I wanted to combine a soft, gentle image of gold with a milky white color, and adorn the deep black with a glossy quality with the brilliance of platinum. This color may give a slightly cool impressin.   私は、相反するものを1つのモノゴトの中に、あるいはプロダクトの中に内包し表現することが好きです。 この世に存在するおおよその物事には陰と陽が存在します。 そんな様子を表したかったのかもしれません。 I like incorporating opposing elements within a series or product, expressing the coexistence of Yin and Yang, which can be found in most things in the world. Perhaps that is what I wanted to depict.   白黒はっきりさせたい、というのではなく白と黒にはすべてが内包されるという事だと思っています。 この金彩、プラチナ彩の器は現在では5色展開しているシリーズです。 I believe it is not about clearly defining things into one or the other, but rather recognizing that everything is encompassed within the of white and black. The vessels adorned with gold and platinum accents currently form a series available in five different...

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5月 21 2023

5年後10年後も続く愛される定番として①

2018年の開業当初からブランドの定番として育ててきたK24(orプラチナ)を縁取った器たちについて改めてご紹介させていただきます。 I would like to reintroduce the collection of vessels adorned with the K24 (or Platinum) brand, which has been nurtured as a staple since its inception in 2018. このシリーズの制作時、<5年後10年後も続く愛される定番を作りたい>と考えて作陶にあたりました。 During the creation of this series, I aimed to make a timeless classic that would continue to be beloved even after 5 or 10 years. それまでの、趣味として楽しむ作陶だけでなく、〈好きなこと〉を〈ビジネス〉にするために定番のシリーズを作りたいと考えたからです。 It was not just about enjoying pottery as a hobby; I wanted to turn my passion into a business by creating a signature line. その際に最低限のイメージだけはコンセプチュアルに決めようと思い、やりたいことやイメージ、思い浮かんだキーワードを全てノートに書きだしました。 To establish at least a basic concept, I wrote down everything I wanted to do, the imagery I had in mind, and the keywords that came to me, filling my notebook. 2重線で消してはまた書き足し、書いては消し、を何度も繰り返しながらイメージを固めていきました。 I drew lines, crossed them out, and added more, repeatedly refining the image. この作業をしているときからすでに私の作陶が始まっていたのだと思います。 I believe that even during this process, my pottery journey had already begun. 物理的な理由で、どうしてもタタラ皿をメインにした商品展開にしたかったのです。最初に作ったのはこの3つのサイズのお皿です。 Due to practical reasons, I wanted to focus on the Tatara plate as the main product. The first items I created were these three sizes of plates. あの時、タタラ皿をメインアイテムにしたことは、それまで趣味で作陶していた時とは真逆とも言える選択でした。 Choosing to make the Tatara(flat) plate the main item was a decision that went against the grain of my previous experience with pottery as a hobby. 2007年から2017年までの10年間、私はほとんどタタラ皿を作ったことが無く、どちらかというと苦手な制作方法でもありました。 From 2007 to 2017, I hardly ever made Tatara(flat) plates, and it was actually a technique that I struggled with. いつも制作は電動ろくろで薄く引き、見込みの小さく高台の高めの小鉢や碗皿ばかりを作り、和の雰囲気が強い釉薬掛けを好んで作っていたので、開業前の私の作風を見ていらした方は急にテイストが変わって驚かれた方も多かったと思います。 My usual...

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梱包資材の事、CO2のこと

現在、オンラインショップでご購入いただいた際の梱包資材をこちらのクッション性ペーパーに変更してしばらく経ちます。 ある一定期間使ってみて、今のところ破損などがないので今後もしばらくはこちらでの梱包で継続していこうと思っています。 ご購入の方には紙ごみを増やしてしまい恐縮ですが、現在はこの方法が良いと思いこれらを使用しています。   長い間プラスチック製品を買わない生活をしていましたが、昨年(2022年)配送時の破損が続き、購入いただいた方にとても残念な思いをさせてしまう機会が多くありました。 そしてエアパッキンの使用を始めました。   それまで、ずっと紙で包んで配送していましたがエアパッキンを使うと安心だという事にも気づき、破損が心配で眠れないという事が減りました。 と、同時に矛盾も感じていました。   この脱プラ生活への矛盾は常に自問自答しています。 そもそも私が陶器を作ること自体、電気窯を使用している為そのあたりも矛盾しています。   脱プラは何のためにしていたのか?CO2排出量の削減の為じゃないのか? 電気窯を使うことで沢山のCO2が出ています(普通の生活をしているよりたくさん電気を使うので)だから、日常生活での脱プラをしていたのではなかったか? そういうモヤモヤがぬぐい切れないでいました。   オーダーをいただけるのはありがたいけど、陶芸をやめたくないと思って大切にしたくて続けてきていたのに、なんだかモヤモヤすることが増えてしまっていました。 陶芸を続けていたいという純粋な気持ちや、根本にある軸がブレていたかもしれません。   ただ、沢山作ることで学んだことがあります。 薄利多売、薄利少売を続けてきたことで気づいたことは大きな学びです。 人との付き合い方、お金の大切さ、時間の大切さ。 今はたくさん作ってたくさん売ることに積極的になれずにいます。   赤字を作り、電気を沢山使い、体がへとへとになり、勉強する時間もままならない生活から脱したかったのかもしれません。   陶芸は私にとってはなくてはならないものです。 制作できる体力がある限りはやめないつもりです。   土を触って一人でラジオや音楽を聴き、時には無音の中で作業する時間はとても心地よく穏やかなので、崇高な趣味として続けていければと思います。   残った器を少しずつ販売していき、新しいものが作りたくなった時にはまた製作していこうと思います。   現在、作りたくなって作った器が少し焼き上がりました。   更に、もう一種類作っているカップは、お渡ししたい人がいて、その方のために製作しています。   作りたい!と心が動いたときに作る方がいい。 今はそのカップが出来上がるのが楽しみです。   現在使用している電気窯は2017年~2020年までと昨年の後半から再度使い始めたSHIMPOさんのDMT-01 という家庭用で使える比較的小さな電気窯です。   こちらは以前たくさん作っていた時に使用していた大きい窯に比べてCO2排出量も減ります。(煙突がないので) 小さい窯なので沢山は焼けませんが、そのくらいがちょうどよいです。 2018年、ucacoceramicsの屋号でスタートさせたとき、この窯で器をコツコツ作っていました。   しばらくは、2007年に陶芸を始めた時のような気持ちで自分の欲しいもの、人に使ってもらいたいとイメージが湧くものをまたコツコツと少しずつ作っていようと思います。          ...

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【梱包資材】のこと

2022年夏現在、器の配送時にエアパッキンを使い出して2か月ほど経ちました。   自身の生活圏内で、できる限りプラスチック製品を減らしたいと思い色々な取り組みをここ5〜6年でトライして来ました。 紆余曲折あり(やって来たトライアルを語り出すと長過ぎるのでここでは省略します)現状でのベストな配送方法としてエアパッキンを利用し始めました。 まず1番大切なの、はご購入者様のお手元にご希望の器を割れずにお届けすること。 迷いましたがエアパッキンを使わないことで破損品が増えお客様へのご迷惑、ゴミに成ってしまう破損品が増えることを回避するためやむをえずの決断です。 薄紙を器に一枚乗せ、エアパッキンの袋に入れています。 今後、もっと良い方法が見つかったらその時はまた変化して行くと思います。 毎日、何かしら得ることがあり、学ぶことがあります。 ヒントは色々なところに転がっていて何気ない景色や見たアート作品から受け取った物をあらゆることに変換しています。 アーティスティックな物を見て、反対に論理的な思考が働いたり、数字の配列を見て新しいアイデアが湧いたり、自身の中で色々な感覚が交差しながらひとつずつ進めて行ってる最中です。 時間はかかっているけど少しずつでも進化して行きたい。 そんな風に思います。...

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8月 20 2022

3つの【リ】

私がモダン金継ぎのワークショップを開催し始めてはや3年?4年? 自分が作る器の修繕の為に漆を使った修繕を習い出したのが6年前。 紆余曲折あり、現在では1回2時間程度のワークショップを全国各地で開催させていただく様になりました。   【金継ぎ】と言えば【日本の伝統的な修繕技法】漆を使うのは湿度の高い日本には適した技術だからこういった美しく素敵な修繕技法が日本に長きに渡って残っているのだと思います。 と言いつつも昨今の金の価格高騰で本金を使っての修繕は以前より更に高価なものへとなりつつあります。 私がワークショップで行っている金継ぎでは【本金】ではなく【真鍮粉】を使っての修繕。 【漆】ではなく【新うるし】と呼ばれる化学溶剤とのハイブリッドアイテム。 色々な意見はあると思うけれど、私は天然素材だけを使っての【金継ぎ】も化学溶剤を使っての【モダン金継ぎ】もどちらも好きでどちらにもそれぞれの良さがあると思っています。 どちらも知っていれば直したい物に応じての選択肢が広がる。 まずはエントリーとしてサッと直せてしまう【モダン金継ぎ】から始めるのも良いと思い、まずは試していただく為にワークショップを色々なところで行っています。 本金継ぎを行う時のネックはなんと言っても【漆かぶれ】 私自身も実際に漆かぶれで酷い目に合ってしまった事がキッカケで【モダン金継ぎ】を始めました。 たくさんの器を修繕していく中で新しい試みもしていて、私ならではの修繕方法も積極的におススメしています。 それがこちら。    割れた器をそのまま直すだけではなく、カケている箇所にガラスや天然石を埋めてredesignすること。 [割れ]も[欠け]も[ヒビ]も金継ぎ修繕するとお気に入りだった器が更に愛おしくなります。 自らの手で新しい価値をデザインし壊れてしまったモノを蘇らせる。 なんと尊い時間だろう?と思います。 自宅開催での金継ぎ修繕の日はちょっとした茶話会です。 接着溶剤を乾かしている間に和菓子とお抹茶をお出ししたり、コーヒーとクッキーをお出ししたり、そんな風に過ごしています。 野外イベント、各種セレクトショップ、カフェなどでも開催させていただいています。 直したい器だけでなく、使わなくなってしまったけれど棄てるのは忍びない… という器がある方は装飾のみでのご参加も可能です。 修繕も勿論のことながら、私の行っている【モダン金継ぎワークショップ】では《RE_design》というのが大きなキーワードです。 re_cycle、re_use、そしてre_design 3つの【RE】いやきっともっとある。 そんな可能性を秘めた時間を皆さまと過ごせれば嬉しい限りです。 お問い合わせはucacoceramics@gmail.com宛か modern_kintsugi_ucacoのInstagramのDMあてにお願いいたします。 2022年8月20日(加筆修正:2023年6月3日)...

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