coffee & tea | ucacoceramics
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6月 06 2023

六角形のお皿

2022年下半期、最後の卸でフランクロイドライト、その弟子の様な存在である遠藤新氏の建築物を所有される施設から高額な宿泊費を支払って滞在される方に向けて、既製品ではなく手がかかったもので日本酒を提供したいとのことでご紹介を経て私に声がかかり、雪山シリーズ、黄色とブルーの組み合わせセットのお猪口とそれぞれの片口を納品しました。 [caption id="attachment_12168" align="alignnone" width="225"] こちらは雪山シリーズのお猪口と片口です[/caption]     また、同氏たちの建造物などは自然との調和を大切にされていることもあり、雪山のシリーズなど、私自身が雪山の景色に魅了され作り出した器とは親和性もあり、とても光栄に思いました。   PRしていただけるとのお話だったのと、予算が無いとのことでとても破格の赤字価格で卸しました。 実際には私に宿泊できるような価格帯の施設ではないため、ご使用いただいているのかどうかは見ていないのでわかりません。   ただ、この頃ちょうど四角形や五角形、八角形などあらゆる器を作り終え、六角形についても何か作りたいと思いながらも、まだ具合的なイメージがわいていなかったので、この施設内を見学することができたのは私にとって深い意味がありました。 見学代を払ったと思えば安いものです。   正六角形は私がこよなく愛する形のひとつです。   【正六角形】は三方均等である【正三角形】が6つ(ハーフダース)集まってできている。 内角はそれぞれ120度(1ダース×10)。 10も12も数字としてある種の完成形を表す数。(10進法や12進法) 自然界でも正六角形はたくさん見かける。 雪の結晶しかり、ハチの巣しかり。 自然界では強者、弱者といった単純なパワーバランスだけでなく循環によって均衡が保たれている。 だからこそ脅威も含めて自然界の事物が美しいと感じるのかもしれない。   そんなことを思いながら六角形のお皿を作りました。     見学した施設の柱に使われていた石づくりのブロックが気になって調べてみると大谷石というもので経年変化も色々あるようでした。   その雰囲気を出したくて、土は信楽土に少し小さな石の粒を混ぜ込んだものにし、色も食器としての(カップの)自身の好みと大谷石のイメージをリンクさせました。   縁取りにかけた釉薬は大谷石の経年変化のイメージとリンクさせながらも、プロダクトとしてのデザインで、器を引き締める役割も持たせています。       現在とても気に入って毎日のように使っている器です。 本日6月6日より6角形のお皿単品としても、カップ&ソーサーとしても販売をスタートしました。   価格はそれぞれ6600円(税込み)。調和のとれた六角形を表す数字6。 6には教養、共生、融合などの意味も含まれます。 そうやって、数字や図形と対話する時間はとても楽しいです。   2023年6月6日      ...

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6月 06 2023

2023年新作のコーヒーカップ。

[caption id="attachment_12022" align="alignnone" width="300"] こちらは2023年現在の進作コーヒーカップです。 こちらはカップ&ソーサーとしてお使いいただけるように六角形のプレートを作りました。[/caption]   前ブログ記載の<2008年から製作していた飴色のカップ>は、物理的な問題点を解決するために制作日数を増やすことでクリアしていました。 器の薄さに比例して、素焼きの陶器が吸収できる水分量には限界があります。 前述の飴色のカップは私が作る器の中でも特に薄いものです。(飲み口を大事にしたくてギリギリまで薄く作ったものになります) その薄い陶器に外と内側で2色の釉薬をかけ分けている為、物理的にはかなり無理なことをしています。   飴釉も乳白釉も粘度の高めのものを使っている為、1度に内・外の施釉をすると釉薬が陶器にうまく安定せず(吸水限界を超えているので)本焼きした時に縮れを起こしてしまいます。 結果、施釉を2日に分けて製作をするようになりました。     沢山のロスを出したのち、どうにかしてロス率を下げるために、と施釉方法を2日に分けることに変更しました。 1日目に内側に乳白釉をかける。数日乾かし、器が乾いて吸水率が上がった頃に外側に飴釉をかける。 こうやって、薄い陶土に飴と乳白をかけるという、相反することを可能にしました。 厚みのある器であれば、こんな風に別の日に釉薬掛けを行わなくてもこの2色の釉薬をかけることができます。(これは雪山の器も同様です) その日のうちに施釉可能なのです。 【どこにでもあるようでいて、なんだか違う】。と私の器に対して感じてくださった方のその感覚は正しいのです。 審美眼に優れた方だと思います。 一見すると普通に見えるけれど、普通にこの色のカップを作るより日数がかかってしまうのです。     ですが、2023年よりモデルチェンジをしたのはいくつかの理由があります。   特徴にしている大きな取手のデザインを変えずに、カップ自体に必要最低限の重さを持たせたかったので土を石が入ったより白さが増した信楽土へと変更しました。 →その甲斐あって、このカップでアイスクリームを食べてもスプーンの重みでカップが倒れることがありません!私はとてもアイスクリームが好きです) 土を変更したことでカップの底面石の粒が木のテーブルを傷つけてしまうのを防ぐため完成後に特殊なコーティング加工を自身で施しています。 →耐熱温度は70度といったところです。おおよそのホットドリンクに対応しています。ここに至る前は陶芸用のサンダーで底面をやすりにかけたりもしていましたが、サンダーの扱いは怪我や器の破損が多く器づくりの工程として、個人的に受け入れがたいものでもあり、出来る限り器に優しく接してやりたかったのでやめました。 釉薬は2色使用していますが、土の良さを生かすため全体に乳白釉を掛けました。 →以前まで掛けていた飴のかわりに、口元にマットな燻金の釉薬をかけることで器にアクセントを持たすことも出来、以前のカップで気に入っていたデザインも継承されています。   土の特性を生かすため以前より少し厚みを持たせました。 それもあって上記の釉薬使いともマッチしています。   何色か、何型かで試作して実際に使ってから、一番気に入ったものを2023年からの新作としました。   現時点では、以前よりも製作時のロス数を減らすことが出来ています。 それによってゴミに成り得るものを作らないでいられます。   以前よりも扱いやすいけれど、デザインでは私ucaco自身のこだわりポイントを変えずにUPDATEした最新型のコーヒー&ティーカップです。   現在、私自身が毎日使うカップでもあります。 セットの六角形のソーサーについては次のブログにて。   これらのカップとソーサーの販売は6月6日を予定しています。   続く・・・   2023年6月2日 ucaco    ...

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6月 01 2023

ギフトとして製作した初のアイテム。それが飴色のコーヒーカップ。

[caption id="attachment_12019" align="alignnone" width="300"] 陶芸を始めたばかりのころから作って来たお気に入りのカップ。独立前はたくさんの友人や家族へのギフトとして作っていました。[/caption]   10年以上前に自宅用に作って以降、家族や友人へのプレゼントとして作ってきた定番のカップです。   当時は紅茶好きだったのでカタチはお茶の香りを充分感じられる様、ひろがりのある形状にし、ストレートでいただく際にお茶の美味しさを感じやすい様に口元はかなり薄くひいていました。   カップの色はシルバーティップスの茶葉などを選んだ際に、澄んだ水いろも楽しめるように、内側は乳白色を選びました。 外側を飴色にしたのは、コーヒー好きな来訪者のみなさまにもしっくり来るようにコーヒーの色とリンクさせ、2色の釉薬を掛け分けています。 うすい口元に2色の釉薬をにじませることで柔らかな雰囲気が出る様にしています。     [caption id="attachment_11341" align="alignnone" width="300"] カップに合わせてプレートも製作していた時期がありました。 ケーキ皿としても単品で使用出来るようにこのカタチです。 [/caption]   カップをお皿に乗せても余白部分にクッキーやチョコレートなどの小さなオヤツも一緒に置けるサイズ感です。(金彩のPlat15取り分け皿と同サイズです) 口元や把手部分は特に華奢なので欠けたり折れたりもしやすいです。 私ucacoが作る器の中でも特に薄い器の代表です。 [caption id="attachment_12020" align="alignnone" width="300"] 丸いティーカップのシリーズとして、コーヒー用にシュッとした雰囲気に仕上げたくてアウトラインをストレートに寄せた形も展開しています。 とはいえ、柔らかさを出したいのでほんの少しアールをかけています。 [/caption]     こちらは陶芸を始めて間もなかった2008年より継続して少量で製作してきました。 当時はまだ金継ぎのことを知らず、自宅用のこのカップが欠けてしまった時、作り直しをしようとしていたら、当時通っていた陶芸教室の先生から金継ぎの存在を教えていただきました。   [caption id="attachment_12105" align="alignnone" width="300"] 取手がなくなってしまったカップに透明と茶色のガラス片を継いで金継ぎしたもの。[/caption]   当時、お教室では金継ぎは教えてらっしゃらず、いつか習ってみようとその時決め、長い間、割れたり欠けたりした自作の器を新聞に包んで段ボールに保管していました。 その段ボールがいっぱいになった頃、丁度会社勤めを辞め、時間が作れるようになったので陶芸と並行して行うために2017年の11月か12月頃に本漆での金継ぎを習いに行き始めました。   金継ぎの話も長くなるのでまた追って。     そして2023年より更にUPDATEして製品化したカップ&ソーサーがこちらです。   このカップ&ソーサーについては次回のBlogでUP致します!   2023年6月1日 ucaco                  ...

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