六角形のお皿
2022年下半期、最後の卸でフランクロイドライト、その弟子の様な存在である遠藤新氏の建築物を所有される施設から高額な宿泊費を支払って滞在される方に向けて、既製品ではなく手がかかったもので日本酒を提供したいとのことでご紹介を経て私に声がかかり、雪山シリーズ、黄色とブルーの組み合わせセットのお猪口とそれぞれの片口を納品しました。 [caption id="attachment_12168" align="alignnone" width="225"] こちらは雪山シリーズのお猪口と片口です[/caption] また、同氏たちの建造物などは自然との調和を大切にされていることもあり、雪山のシリーズなど、私自身が雪山の景色に魅了され作り出した器とは親和性もあり、とても光栄に思いました。 PRしていただけるとのお話だったのと、予算が無いとのことでとても破格の赤字価格で卸しました。 実際には私に宿泊できるような価格帯の施設ではないため、ご使用いただいているのかどうかは見ていないのでわかりません。 ただ、この頃ちょうど四角形や五角形、八角形などあらゆる器を作り終え、六角形についても何か作りたいと思いながらも、まだ具合的なイメージがわいていなかったので、この施設内を見学することができたのは私にとって深い意味がありました。 見学代を払ったと思えば安いものです。 正六角形は私がこよなく愛する形のひとつです。 【正六角形】は三方均等である【正三角形】が6つ(ハーフダース)集まってできている。 内角はそれぞれ120度(1ダース×10)。 10も12も数字としてある種の完成形を表す数。(10進法や12進法) 自然界でも正六角形はたくさん見かける。 雪の結晶しかり、ハチの巣しかり。 自然界では強者、弱者といった単純なパワーバランスだけでなく循環によって均衡が保たれている。 だからこそ脅威も含めて自然界の事物が美しいと感じるのかもしれない。 そんなことを思いながら六角形のお皿を作りました。 見学した施設の柱に使われていた石づくりのブロックが気になって調べてみると大谷石というもので経年変化も色々あるようでした。 その雰囲気を出したくて、土は信楽土に少し小さな石の粒を混ぜ込んだものにし、色も食器としての(カップの)自身の好みと大谷石のイメージをリンクさせました。 縁取りにかけた釉薬は大谷石の経年変化のイメージとリンクさせながらも、プロダクトとしてのデザインで、器を引き締める役割も持たせています。 現在とても気に入って毎日のように使っている器です。 本日6月6日より6角形のお皿単品としても、カップ&ソーサーとしても販売をスタートしました。 価格はそれぞれ6600円(税込み)。調和のとれた六角形を表す数字6。 6には教養、共生、融合などの意味も含まれます。 そうやって、数字や図形と対話する時間はとても楽しいです。 2023年6月6日 ...
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