Blk×Platinum(黒.プラチナ)はこの器のシリーズを製作するにあたり、最初に作りたいと思った色です。(5年後10年後も続く愛される定番として①参照。またこの色は実際には4色目の展開カラーとなるのですが、その話はまた次回の③話以降でつづらせていただきたいと思います)。
乳白色には柔らなイメージでゴールドを、漆黒の透き通るようなつややかさをもつ深い黒にはプラチナの輝きをまとわせたかった。
こちらの色は少し冷ややかな印象なのかもしれません。
私は、相反するものを1つのモノゴトの中に、あるいはプロダクトの中に内包し表現することが好きです。
この世に存在するおおよその物事には陰と陽が存在します。
そんな様子を表したかったのかもしれません。
白黒はっきりさせたい、というのではなく白と黒にはすべてが内包されるという事だと思っています。
この金彩、プラチナ彩の器は現在では5色展開しているシリーズです。
ある時期は色や形を絞ろうか、どうしようか?と悩み、迷い、何度も思考を巡らせては結局変更しない、という堂々巡りを繰り返していました。
結論を言うと、現在の考えは〈無理して絞らなくてもいい〉です。
なぜなら、現在は受注製に切り替えたからです。
ご要望があり、ミニマムに達するのであれば出来る範囲で作る。それでいい。(ミニマムについては別途ブログでUP致します)
無理して辞めなくても、無理して作らなくてもいい。どちらも無理なら引き受けない。なぜなら、陶芸は私にとって一番尊い存在だからです。
それに、たくさん増えた色もカタチも、そのすべてが私の分身であるからです。
仕事面、健康面、金銭面など物理的なことを含むライフスタイルの変化で精神面にも影響を及ぼしました。
それに伴い、その時の自分にとって必要な器をいつも新たなラインアップとして作って来ました。
だから、どれもこれもにひとつづつのストーリーがあり、その時の主役はいつもその新作だったからです。
使う季節、食材の色、料理のバリエーションによっても使いたくなる器も微妙に変化します。
それは気分的なものもあるかもしれません。
この器のシリーズは、モノゴトの陰陽でとらえてスタートさせようと描いた最初のイメージが、ピンクやグレージュそしてチャコールグレーという中間色を含むことで豊かな四季(五季)を表すように導かれていたのかもしれません。(春・夏・秋・冬+土用)
勿論、作っているときはいつも物理的な理由が壁として立ちはだかっていて、それらをクリアし乗り越えていくために見出した解決策だっただけなのですが、結果的にはいろいろなことが繋がってきました。
この黒×プラチナ彩の器は卸をしたなかでは多分一番売れていないと思います。ほとんどのお取引先様がこの器を選ばなかったのです。「ゴールドの縁で統一されている方がわかりやすい」。というのがおおよそのお取引先様からのお声でした。
なので幸か不幸か一番出回っていない器です。(笑)
そう思うと自分の中でもより一層尊くなります。
黒×ゴールドも一番新しい色なので、あまり卸さないまま卸をやめたので数量がそれほど出回っていませんが。
私の世界観に共感してくださる方には<乳白色>と<黒>の2色で揃えていただけるととても嬉しいです。
次回以降に2色目の展開カラーとして加わったピンクの器の話、チャコールグレーの話、グレージュの話も綴りたいと思います。
不定期配信となりますがご興味お持ちいただけると幸いです。
2023年5月21日 ucaco