2023年新作のコーヒーカップ。
[caption id="attachment_12022" align="alignnone" width="300"] こちらは2023年現在の進作コーヒーカップです。 こちらはカップ&ソーサーとしてお使いいただけるように六角形のプレートを作りました。[/caption] 前ブログ記載の<2008年から製作していた飴色のカップ>は、物理的な問題点を解決するために制作日数を増やすことでクリアしていました。 器の薄さに比例して、素焼きの陶器が吸収できる水分量には限界があります。 前述の飴色のカップは私が作る器の中でも特に薄いものです。(飲み口を大事にしたくてギリギリまで薄く作ったものになります) その薄い陶器に外と内側で2色の釉薬をかけ分けている為、物理的にはかなり無理なことをしています。 飴釉も乳白釉も粘度の高めのものを使っている為、1度に内・外の施釉をすると釉薬が陶器にうまく安定せず(吸水限界を超えているので)本焼きした時に縮れを起こしてしまいます。 結果、施釉を2日に分けて製作をするようになりました。 沢山のロスを出したのち、どうにかしてロス率を下げるために、と施釉方法を2日に分けることに変更しました。 1日目に内側に乳白釉をかける。数日乾かし、器が乾いて吸水率が上がった頃に外側に飴釉をかける。 こうやって、薄い陶土に飴と乳白をかけるという、相反することを可能にしました。 厚みのある器であれば、こんな風に別の日に釉薬掛けを行わなくてもこの2色の釉薬をかけることができます。(これは雪山の器も同様です) その日のうちに施釉可能なのです。 【どこにでもあるようでいて、なんだか違う】。と私の器に対して感じてくださった方のその感覚は正しいのです。 審美眼に優れた方だと思います。 一見すると普通に見えるけれど、普通にこの色のカップを作るより日数がかかってしまうのです。 ですが、2023年よりモデルチェンジをしたのはいくつかの理由があります。 特徴にしている大きな取手のデザインを変えずに、カップ自体に必要最低限の重さを持たせたかったので土を石が入ったより白さが増した信楽土へと変更しました。 →その甲斐あって、このカップでアイスクリームを食べてもスプーンの重みでカップが倒れることがありません!私はとてもアイスクリームが好きです) 土を変更したことでカップの底面石の粒が木のテーブルを傷つけてしまうのを防ぐため完成後に特殊なコーティング加工を自身で施しています。 →耐熱温度は70度といったところです。おおよそのホットドリンクに対応しています。ここに至る前は陶芸用のサンダーで底面をやすりにかけたりもしていましたが、サンダーの扱いは怪我や器の破損が多く器づくりの工程として、個人的に受け入れがたいものでもあり、出来る限り器に優しく接してやりたかったのでやめました。 釉薬は2色使用していますが、土の良さを生かすため全体に乳白釉を掛けました。 →以前まで掛けていた飴のかわりに、口元にマットな燻金の釉薬をかけることで器にアクセントを持たすことも出来、以前のカップで気に入っていたデザインも継承されています。 土の特性を生かすため以前より少し厚みを持たせました。 それもあって上記の釉薬使いともマッチしています。 何色か、何型かで試作して実際に使ってから、一番気に入ったものを2023年からの新作としました。 現時点では、以前よりも製作時のロス数を減らすことが出来ています。 それによってゴミに成り得るものを作らないでいられます。 以前よりも扱いやすいけれど、デザインでは私ucaco自身のこだわりポイントを変えずにUPDATEした最新型のコーヒー&ティーカップです。 現在、私自身が毎日使うカップでもあります。 セットの六角形のソーサーについては次のブログにて。 これらのカップとソーサーの販売は6月6日を予定しています。 続く・・・ 2023年6月2日 ucaco ...
Read More